契約書の不備
契約書の存在は、既払い金の返還請求を行うために、とても大切なものとなります。業者は訪問販売などの取引で消費者と契約した時は、必ず法で定められた契約書面を交付する義務があります。
その場合、書面に重要事項が記載されていなかったり、業者から契約書を受け取っていない場合は、クーリングオフの起算日(クーリングオフ期間が始まる1日目)は進行しません。
例えば、契約書面に「クーリングオフのお知らせ」などといったクーリングオフができる旨の記載がない場合、その契約書面は法で定められた書面とは認められませんので、クーリングオフ期間は進行していないことになります。
このような場合、相手業者はクーリングオフ期間が過ぎていると思っていることが多いので、相手業者に契約書面に不備があることを理由に、クーリングオフ期間の起算日が進行していないことを主張し、既払い金の返還請求をする必要があります。
また、「クーリングオフをしないことを約束します。」などと契約書に書いてあったり、別の用紙で念書を書かされたとしても、それらは無効となります。クーリングオフは特約によってあらかじめ放棄することは認められていません。