消費者契約法による取消権
訪問販売で買った商品などは、業者から法定の契約書面を受け取った日から8日以内であれば、理由の如何を問わずクーリングオフが適用され、既払い金の請求ができます。ただし、8日を過ぎてしまっても、業者の不適切な勧誘により誤認・困惑して契約してしまった場合であれば、契約の解除が可能なケースがあります。
これは、消費者契約法の取消権のことで、クーリングオフとは別のものです。また、クーリングオフ適用外であっても取消権を行使することができます。
例えば、業者が事実と異なることを告げ、消費者がその内容を事実であると誤認した場合(不実告知)や、将来的な見通しが不確実であるにもかかわらず、確実性を断定し、それを消費者が確実であると誤認した場合(断定的判断の提供)、メリットばかりを告げ、デメリットになることを故意に告げず、消費者がそのようなデメリットは存在しないと誤認した場合(不利益事実の不告知)は消費者契約法による取消権が主張できます。
取消権は、消費者自らが誤認していたことに気付いたときから6ヶ月、契約を締結したときから5年経過した場合は時効によって消滅します。また、労働契約に関しては消費者契約法の対象外となります。
これらは、契約の取消を認めているものですが、取消権を行使して既払い金請求を行うには、消費者が相手に訴えを起こし、業者が悪質な販売を行ったことを立証する必要があります。中にはハードルが高く、個人で訴えを起こすことが難しい問題もありますので、そのような場合は専門家のアドバイスをもらうようにしましょう。