返還請求の判例

特定商取引法と割賦販売法の改正以前にも、クレジット会社に既払い金返還を命じる判決が出ています。

認知症男性に多額のローン、既払い金は全額返還へ

宮崎県内に住む認知症の父親が、不要な住宅リフォーム工事で多額のローンを背負わされたとして、30代の長女が信販会社に既払い金返還を求めた訴訟の控訴審が、宮崎地裁(高橋善久裁判長)であり、2007年9月10日、信販会社が請求額のほぼ全額の95万円を支払うことで和解しました。

信販会社に対する既払い金返還請求で裁判上の和解は国内でも例がありません。

訴状によると、父親(82)は2002年4月に、訪問販売のリフォーム会社と耐震工事で計270万円、72回払いのクレジット契約を結びました。

父親が05年4月に死亡し、長女は工事業者と連絡を取りましたが廃業していたため、同年10月に信販会社一社を提訴し、既に支払った約95万円の返還を求めました。

デート商法での売買契約は無効、信販会社に既払い金返還命令

好意があるように装って商品を売りつける「デート商法」による宝飾品の売買契約は無効だとして、三重県内の男性(28)が、購入の際にクレジット契約を結んだ信販会社を相手取り、既払い金の返還などを求めた訴訟の控訴審判決が2009年2月19日、名古屋高裁でありました。

岡光民雄裁判長は、信販会社側の請求通り男性に未払い金の支払いを命じた1審の津地裁伊勢支部判決を変更し、「売買契約は公序良俗に反しており無効」などとして信販会社に約100万円の返還を命じました。この判決は支払い済みのローン代金返還を命じた珍しいもので、クレジット制度の実態に着目した意義のある判決となっており、同種被害の回復につながると考えられます。

判決によると男性は2003年3月、宝飾品販売会社の女性からファミリーレストランで、約8時間にわたり購入を勧められました。女性は男性の手を握るなどしたほか、同席した男が威圧的な態度で購入を迫ったため、男性は指輪など3点を買い、信販会社と分割手数料約60万円を含む計約220万円を分割払いする契約を結びました。

判決は、販売契約について、「男性の無知につけこんで、女性と交際できるような錯覚を抱かせた取引で、公序良俗に反し無効」と判断しました。信販会社は未払い金を請求できないとし、クレジット契約についても「目的を失って失効した」と結論づけました。

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